東都新聞のジャーナリスト・松田杏奈(米倉涼子)は、自分の信念に従い、官邸での記者会見でも忖度なしの質問を連発。その姿勢はマスコミの中でも目立ってしまい、周りから“新聞業界の異端児”と呼ばれている。そんなある日、中部財務局が官邸の意向を受け、総理夫人が名誉校長を務める「栄新学園」に格安で国有地を売却していたことが、他紙よりスクープされる。追い続けているAI詐欺事件から離れ、栄新学園をめぐる疑惑を追うよう北村編集長(吹越満)から指示された松田は、この件の調査に取り掛かる。その裏では、関係者による隠ぺい工作が始まる。栄新学園に土地を売却した中部財務局には、静岡時代の元上司・黒崎統括(田口トモロヲ)から呼ばれ、倫理観の強い官僚・鈴木和也(吉岡秀隆)が赴任した。そこで彼を待っていたのは、公文書を改ざんするという信じられない違法行為。妻・真弓(寺島しのぶ)は、何かに追い詰められていく夫の異変を感じながらも、見守るしかできない。そして、その土地売買問題に関わってしまったのは、総理夫人付きの官僚・村上真一(綾野剛)。のちに政権に不都合な情報をコントロールする内閣情報調査室への異動を命じられる。一方、新聞配達のアルバイトをしながら就職活動をしている大学生・木下亮(横浜流星)は、政治や社会に全く関心がなく、栄新学園をめぐる疑惑も遠い世界の話だと感じながら日々を過ごす。そんな中、限界まで追い詰められた鈴木が自殺。これをきっかけに、さまざまな立場にいる人間の思惑が入り乱れていく。
Netflixシリーズ『新聞記者』
映画『新聞記者』第43回日本アカデミー賞の最優秀作品賞を含む主要3部門を獲得したほか、多くの映画賞を受賞しました。興行収入は累計で6億円超えのヒット作


Netflixと映画製作会社のスターサンズが共同企画製作したNetflix作品『新聞記者』が全世界独占配信
原作:望月衣塑子のベストセラー小説「新聞記者」


2022年配信のNetflix The Journalistドラマ版『新聞記者』で米倉涼子が演じた主人公・松田杏奈のモデルとなった「東京新聞」の記者・望月衣塑子氏。 森友・加計問題を追う中、当時、内閣官房長官だった菅義偉氏に、記者会見で繰り返し質問をぶつけ、安倍政権を厳しく追及する姿が話題になった。
配信:2022年1月13日(木)よりNetflixにて全世界独占配信
監督:藤井道人
脚本:山田能龍、小寺和久、藤井道人
音楽:岩代太郎


【キャスト】
松田杏奈役(米倉涼子):新聞業界の異端児と呼ばれる異聞記者
村上真一役(綾野剛):若手官僚(財務省総理夫人付)
木下亮役(横浜流星):鈴木和也役(吉岡秀隆)は伯父に当たる
鈴木和也役(吉岡秀隆):中部財務局に赴任した官僚 公文書改ざん作業を強いられる
鈴木真弓役(寺島しのぶ):鈴木和也の妻
北村賢一役(吹越満):松田杏奈役(米倉涼子)の頼れる上司
黒崎正役(田口トモロヲ):中部管理局の統括官
矢川良和(大倉孝二):名古屋地方検察庁の検事
多田智也役(田中哲司):内閣情報調査室の官僚
松田康平役(萩原聖人):松田杏奈役(米倉涼子)の兄 内閣官房 参事官補佐
佐藤大樹役(柄本時生):東京新聞社の記者 松田杏奈役(米倉涼子)の後輩
屋代晴美役(土村芳):東京新聞社の記者 松田杏奈役(米倉涼子)の後輩
横川繭(小野花梨):木下亮役(横浜流星)の新聞配達の同僚
入来デスク役(橋本じゅん):東京新聞社デスク
新田淳二役(でんでん):横川繭(小野花梨)・木下亮役(横浜流星)が働く新聞屋の店主
豊田進次郎役(ユースケ・サンタマリア):内閣官房参与としてAI開発に携わっている
中川久志役(佐野史郎):総理補佐官
毛利義一役(利重剛):理財局長
〝フィクション〟という形になっていますが森友学園
栄進学園と名を変えているが、森友学園事件をもとにしたドラマ・森友事件をもとにしたフィクション
「森友学園」問題
2016年6月、学校法人「森友学園」に大阪府豊中市の国有地が払い下げられました。不動産鑑定士が出した土地の評価額は9億5600万円でしたが、近畿財務局が出した払い下げ価格は「約8億円引き」の1億3400万円で売却。
森友学園の籠池泰典理事長(当時)が近畿財務局との交渉時に昭恵夫人との交流を強調していたことなども判明し、首相夫妻の影響で土地の価格が不当に安くなったのではないかとの見方が出て売買に関係する経緯を改ざん 価格の事前交渉を伺わせる記述「本件の特殊性」などの文言。
森友問題では、財務省理財局による決裁文書改ざん問題も発生しました。財務省が国有地払い下げの経緯を記した文書を国会に提出した際、首相や昭恵夫人の関与が疑われかねない記述を削除していたことを認めました
ドラマ制作の裏側で問題
遺族の方の了承を得ないまま撮影がスタート
森友事件の渦中で、総理夫人らの名を隠蔽するために公文書の改ざんを命じられた近畿財務職員・赤木俊夫さん。苦悩の末、2018年3月、自ら命を絶った。享年54。
当初は赤木さん夫妻をモチーフに制作を進める予定だったが、赤木雅子さんが「事実をできる限り正しく伝えてほしい」と難色を示すと、〝フィクション〟という形で強引に制作が進められた。遺族の大切なものが都合よく切り取られ、利用され、乗っ取られたとしている。さらに望月記者は、話し合いを望む雅子さんとの連絡を一切絶ち、借りた資料の一部を返却していないなど、その対応に疑問を呈している。
鈴木和也の妻の役で出演予定だった俳優・小泉今日子さんは、遺族の方に許可を頂けないまま進行した撮影が納得いかず、降板に至った。