Netflix映画『新幹線大爆破』1975年のオリジナル映画の緊迫感を現代の視点で再構築し、最新のVFX技術と実力派俳優陣の演技を樋口真嗣監督によるリブート作品で、蘇る。
2025年4月23日よりNetflixで全世界独占配信中です。
【出演】
草彅剛 細田佳央太 のん 要潤 尾野真千子 豊嶋花 黒田大輔 松尾諭 大後寿々花 尾上松也 六平直政 ピエール瀧 坂東彌十郎 斎藤工
【監督】樋口真嗣
【原作】東映映画「新幹線大爆破」(監督:佐藤純彌、脚本:小野竜之助/佐藤純彌、1975 年作品)
【エグゼクティブ・プロデューサー】佐藤善宏(Netflix)
【プロデューサー】石塚紘太
【ライン・プロデューサー】森賢正
【准監督】尾上克郎
【脚本】中川和博 大庭功睦
【音楽】岩崎太整 yuma yamaguchi
【撮影】一坪悠介 鈴木啓造
【照明】浜田研一
【録音】田中博信
【美術】佐久嶋依里 加藤たく郎
【スタイリスト】伊賀大介
【編集】梅脇かおり 佐藤敦紀
【アクション・コーディネイター】田渕景也
【VFXスーパーバイザー】佐藤敦紀
【ポストプロダクションスーパーバイザー】上田倫人
【Compositing Supervisor】白石哲也
【レコーディングミキサー】佐藤宏明 (molmol)
【音響効果】荒川きよし
【ミュージックスーパーバイザー】千陽崇之
【特別協力】東日本旅客鉄道株式会社 株式会社ジェイアール東日本企画
【制作プロダクション】エピスコープ株式会社
【製作】Netflix
【配信】2025年4月23日(水)
🎬 1975年版『新幹線大爆破』
- 監督:佐藤純彌
- 主演:高倉健(犯人・沖田哲男)、千葉真一(運転士・青木)、宇津井健(運転指令長・倉持)
- あらすじ:東京発博多行きの新幹線「ひかり109号」に、時速80kmを下回ると爆発する爆弾が仕掛けられます。犯人グループは国鉄に500万ドルを要求し、警察や国鉄職員との緊迫した攻防が繰り広げられます。
- 評価:高度経済成長期の日本社会への批判や、犯人側の背景描写が評価され、フランスでも大ヒットを記録しました。
🔄 2025年リブート版(Netflix映画)
- 監督:樋口真嗣(『シン・ゴジラ』)
- 主演:草彅剛(車掌・高市和也)、のん(女性運転士・松本千花)
- あらすじ:新青森発東京行きの新幹線「はやぶさ60号」に、時速100kmを下回ると爆発する爆弾が仕掛けられます。犯人は解除の条件として1000億円を要求し、乗務員や政府、警察が対応に追われます。
- 特徴:最新のVFX技術を駆使し、リアルな爆破シーンや緊迫感あふれる展開が話題となりました。
🌐 世界的な反響
リブート版は2025年4月23日にNetflixで配信開始され、初週で世界視聴ランキング2位、日本国内では1位を記録しました。
🎟️ リバイバル上映情報
1975年版のリバイバル上映が、2025年5月9日(金)より2週間限定で全国の劇場で行われます。
1975年版と2025年版の両方を鑑賞することで、それぞれの時代背景や演出の違いを楽しむことができます。
🚄 主なキャストと登場人物
■ 高市和也(草彅剛)
新幹線「はやぶさ60号」のベテラン車掌。乗客の安全を最優先に行動し、爆破の危機に立ち向かいます。
■ 藤井慶次(細田佳央太)
高市と共に勤務する若手車掌。緊急事態の中で成長していきます。
■ 松本千花(のん)
「はやぶさ60号」の女性運転士。時速100kmを下回ると爆発するというプレッシャーの中、冷静に対応します。
■ 加賀美裕子(尾野真千子)
衆議院議員で、偶然「はやぶさ60号」に乗車していた乗客。
■ 等々力満(要潤)
起業家YouTuber。車内からライブ配信を行い、爆弾解除のための募金を呼びかけます。
■ 小野寺柚月(豊嶋花)
修学旅行中の高校生。
■ 林広大(黒田大輔)
加賀美議員の秘書。
■ 五十嵐正義(松尾諭)
元旅行会社社長。
■ 市川桜(大後寿々花)
柚月の担任教師。
■ 福岡幸之助(尾上松也)
救助車両の運転士。
■ 篠原慶三(六平直政)
電気技師。
■ 須和茂(坂東彌十郎)
内閣官房長官。
■ 笠木祐一(斎藤工)
JR東日本の運転指令長。
Netflix映画『新幹線大爆破』(2025年版)「良かった点」
🎭 1. リアルな人物描写と演
- 草彅剛の「静かな緊張感」をまとった演技が高評価。ベテラン車掌としての責任感がひしひしと伝わる。
- のんの運転士役は新鮮で、冷静さと不安の揺れがリアル。若い世代の支持も厚い。
- その他の乗客キャラもそれぞれに物語があり、群像劇としても深みがある。
🎬 2. VFXと音響による臨場感
- 新幹線の「時速100kmを切ったら爆発」という設定に対し、スピード感あるカメラワークとサウンド設計で圧倒的な没入感。
- 爆弾解除や車両連結、線路切替などの緊迫シーンは「ハリウッド級」との声も。
✍️ 3. 現代的なテーマの盛り込み
- SNSライブ配信、テロと情報操作、政治介入など現代社会の問題を反映。
- オリジナル版(1975年)の「経済成長の歪み」から、今作では「情報化社会と個人の正義」へと視点が進化。
🕰️ 4. 旧作ファンも楽しめるリスペクト
- オリジナル『新幹線大爆破』の構造を大きく崩さず、セリフや構図などでオマージュを多く含んでいる。
- 「あのセリフが今も活きてる」「昭和と令和の融合が見事」と旧作ファンにも支持されている。
🎯 まとめ
→ ただのアクション映画ではなく、「人間ドラマ×技術×社会批評」が同時に楽しめる骨太な作品として、多層的に評価されています。
🎭【演技】感情の振れ幅と緊張感が圧巻
- 草彅剛(車掌・高市和也)
→ 抑えた芝居で「責任感」や「極限状態の冷静さ」を表現。過剰に動かず、目と声のトーンだけで観客を引き込む。
→ 一人ひとりの乗客に声をかける姿が、「サービス業としての誇り」と「人間味」を両立させていて感動的。 - のん(運転士・松本千花)
→ 「若手女性運転士が人命を背負う」という立場がドラマ性に深みを加え、息遣いまで神経質にコントロールされた演技が光る。
→ 怖さと責任感が入り混じるシーンの表情がリアルで、観ているこちらも緊張する。 - 脇役陣(尾野真千子、細田佳央太、要潤など)
→ それぞれの立場や背景がしっかりあり、演出も「表情の寄り」と「沈黙」を効果的に使って心理を見せてくる。
🔊【音響】速度と静寂の緩急が恐ろしく巧妙
- 走行音×静寂のコントラスト
→ 新幹線の「走ってる音」が背景でずっと鳴っている中、静かになる瞬間が「爆弾が近い」という無音の恐怖を引き立てる。 - 車内アナウンスやブザー音のリアルさ
→ 乗車したことがある人なら誰もが知っている「ピンポン音」が、逆に「爆破のカウントダウン」に感じる演出が秀逸。 - BGMの使い方
→ 安っぽい盛り上げ音楽はなく、心拍音のようなリズムや環境音がサスペンスを引き立てる。全体に「音で煽らない誠実さ」がある。
🧠【テーマ】現代日本と向き合うメッセージ性
- 社会の脆さと情報化社会への警鐘
→ 犯人がSNSやネット銀行を使って犯行を仕掛ける点は、テクノロジーと倫理のテーマに直結。
→ YouTuberが乗客として「命を賭けたライブ」をしている場面は、”注目されること”への狂気と希望が混ざる。 - 組織の硬直と現場の奮闘
→ JRと政府の連携ミスや保身的判断と、現場で動く乗務員たちのギャップが胸を打つ。
→ 運転士や車掌の判断力がいかに尊いかを浮き彫りにしている。
🔁【旧作との比較】進化と継承のバランスが秀逸
- 共通点(継承されている要素)
- 「新幹線に爆弾」「時速〇〇kmを下回ると爆発」
- 犯人が社会からドロップアウトした人物であること
- 国鉄/JRとの交渉劇の緊迫感
- 車内を舞台にした“群像劇”構成
- 進化した点
- テロの手段がIT化:匿名性、暗号通貨、情報操作など今の時代ならでは。
- キャラクターの多様性:女性運転士、YouTuber、外国人乗客など社会の多様化を反映。
- 爆弾=恐怖ではなく、人間の行動で救うという希望の視点が加わっている。
- リスペクトの演出
→ 1975年版で使われたセリフや構図(例えば「まだ止めるな!」と叫ぶ指令室の場面)を現代風に再構成。
✅ 総評(この映画の強み)
「止まる=死」の単純な構図に、現代的な人間ドラマとメディア批評を重ね、心にも社会にも刺さる一本。